漫画「惡の華」の登場人物である「仲村さん」が好き過ぎて、いろいろ考えている。この仲村さんという複雑な人物をどのように理解したらいいのか、、、我々同時代に生きる者に共通の課題である。
【本題】
今回は仲村さんを表すキーワードを抽出してみた。
普通じゃない
反抗
反社会的
軋轢
疎外
孤独
友情
暴力
死
魂の叫び
「向こう側」への渇望
コミュニケーション・ブレイクダウン
思春期
あっと思う方もいるかと思いますが、、、
これっていわゆるRockとかPunkとかのキーワードとほぼ一緒だ。かつて嫌悪され弾圧された悪の音楽。音楽の「惡の華」である。
(現代のちゃらけたRockとは異なります)
だとすれば、仲村さんの懊悩・渇望は、この世界で普遍的なものであり、RockとかPunkが受容されたように、実は、誰もが理解・共感可能なものと思う。(彼らののやり方に賛同する・しないは別にして)
音楽という形をとるか、仲村さんという人物造形をとるかの違いがあるだけではないか。(大きく出た)
一般的には仲村さん的なパーソナリティは社会に受容されないと受け取られ、実際に物語中では受け入れられなかったが、必ずしもそうではない。
他に注目すべき点としては、、、
仲村さんには、RockとかPunkに横溢する「性」の要素が入っていないということですかね。
(入ってるといえば入っているが、仲村さんの場合は肉体的なものではなく、本人が無意識的に拒絶(※)するのでちょっと違うような気がする)
※無意識的な拒絶については
①3巻 雨宿り中、春日くんの、濡れた服を見る視線に対する「何?」「なんか飽きたな もう帰ろうか」と突き放すところ、
②6巻 廃墟で手をグーの形にしたこと
を見よ。
RockとかPunkとかと同様に、仲村さん的なるものが、たとえば夏祭りの櫓(やぐら)事件のように破滅へと向かうこともあるだろうし、あるいはまったく新しい地平を開くこともあるのだろう。