2014/03/12

「惡の華」第55話 覚え


衝撃的な第54話を経て、第55話はドラマチックな出来事が起きないので面白くないという方々もいるだろうが、オレの覚えを書いておこう。

・第52話の皆さんのロボットのような表情(まるで叶精作のダミー・オスカーのような)は、本話までかかってすっかりもとの押見修造的表情に戻っている。第52話は緊張感を高める演出のため、ロボットのような表情が必要となったのだと思う。

・「前号のあらすじ」のまとめはさすが編集がやってるだけあって的確だ。e.g.「仲村は暴力で応えた」とか、いい表現だ。
 このあらすじは単行本には収録されないが、ある程度作者の意図を反映していると思われる。だれかまとめてないかな。

・最後のコマは埋め草的に漠然と描いたものではなく、ちゃんと意味があるのではないか。

・この作品「惡の華」の基調となっているキーワードは対比・対照であることはいろいろな人によっていろいろなところで述べられてきたが、もしそうなら、あの明るい満月は常磐さんを、その下で、遠くで明るく輝く星は仲村さんを表しているはずだ。

・春日くんの(幸せなはずなのに)ちょっとうかない表情、常磐さんの「なんでも(書いてみたらいい)」という台詞、ボードレール作「悪の華」の中学時代とは違った解釈、常磐さんの深夜の呼びかけ、これらは遠くで明るく輝く小さな星=仲村さんが背景にある。

まあ無粋な予想ですけど、

仲村さんは今後、「遠くで明るく輝く小さな星」が象徴するような存在として、なんらかの形で再登場するのではないでしょうか。それも、春日くんと常磐さんとは直接対峙しない、二人の心を静かに照らすような、そんな存在として。
(予想ですから当たらないことがあります)

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