2014/03/14

惡の華 仲村さんの感情の変化




漫画「惡の華」の仲村さんが好き過ぎて、こんな図を作ってみた。手書きの図で恐縮だが、、、

激しくネタバレなので、未読の方は図を見ないことを薦めよう。もうめんどいので文字色を変えることもしない。

この図は、仲村さんを最も代表する感情「怒り」について、物語の前半のヤマである3巻から7巻において、もっとも重要な人物である春日くんに対する怒りだけを抽出し、ビジュアル化したものである。そもそも、作中では仲村さんの感情は怒り以外明確ではない。

また、マイナスの怒りという意味で、怒りと反対の感情も抽出してある。怒りと反対の感情を何と名付けるかは議論もあることから、ここでは仮に「共感」としておこう。
(共感が怒りの反対感情であると断言するものではありません。)

図化するにあたり、仲村さんの感情の起伏を赤い線で表している。この線が上に行くほど春日くんに対する怒りの度合が高まり、下に行くほど春日くんに対する共感度合が高まることになる。
3巻から7巻中に起こる主な事件を(1)~(6)で表し、仲村さんの言動や行動を①~⑰で示している。また、①~⑰については、適宜、筆者(オレ)によるコメントを付した。
また、仲村さんが作中で涙を流したことは2度あるが、それはオレンジ色の涙印で示している。
なお、異論があろうが、ここでは⑫を怒りではなく軽蔑とした。

1 図から読み取れること

1−1 怒りは⑥で最大となり、その後は怒ることはない。
1−2 怒っているのは3巻、4巻だけである。
1−3 (2)秘密基地の形成以降は共感に変わり、(4)佐伯さん事件までは増大し続ける。
1−4 秘密基地が焼失し、佐伯さんの告白のあった⑫で共感度合いは0となる。
1−5 ⑬と⑭のあいだで(i.e. 夜の街でバット振り回している頃)、再び共感に転じている。
1−6 ⑥より後は春日くんを罵倒することはない。(e.g.「さっさと来いよ 空っぽ人間」の場面では怒ってはいない。)
1−7 感情のピークの手前で涙を流している。怒りの最大⑥の前、共感の最大⑰の前である。
1−8 ⑧、⑨、⑩、⑪における仲村さんの振る舞いは線形に進行している。【i.e. ⑧女王様的振る舞い(支配)⑨母的振る舞い(庇護) ⑩恋人的態度(対等・やさしさ) ⑪友人的振る舞い(思いやり)】
1−9 なお、作中では⑮〜⑰ではほぼ手をつないでいる。

2 【考察】これらから考えられること

2−1 ⑧、⑨、⑩、⑪のころ、仲村さんと春日くんの関係が人間関係として深化したように見える。すごく屈折しているが、、、でも、これはこれでとてもヒューマニスティックなことではないか。
2−2 仲村さんにとって春日くんは破壊的でない人間関係を築けた数少ない人物と思われる。
2−3 春日くんを櫓から突き落とす直前まで、共感度合いが増大しており、櫓から突き落とした理由は、春日くんに対する怒りや絶望ではない、特別な感情によるものと考えられる。
2−4 春日くんに対する仲村さんの特別な感情は、相当屈折してはいるが間違いなく恋愛感情だろう。

こんなもの作って、、、
絶対に仲村さんにドスのきいた声で「ふざけるな」と言われそうだ。オレも仲村さんの嫌悪する「まんじゅうども」の一員というわけだ。

(このブログの「惡の華」関連の記事は右上のラベルから飛べます)