2010/08/28

流謫、メソプロドン

http://kensosha.blogspot.com/2010/07/blog-post_21.html#links

ちょっと前に、国立科学博物館の大哺乳類展「海のなかまたち」に行っ
たことを書いた。
まあ、その続きなんだが、
この企画展には、ふだんあまり目にすることのない展示があった。
それがこの写真なんだが、、

画期的なことに、
オウギハクジラ属(mesoplodont whales)が前面にでていた。

こいつらはなかなか人間の目に触れないクジラなんだが
オレの住んでいる地方の浜にはよくストランディングするんで
個人的に興味があったものだ。

10年近く前に書いたコラムを再録しておくか。
文体が違うのは時の流れの現れと思ってくれ。
http://homepage.mac.com/kensosha/kensosha/documents/shusailog.html


------------------------------------------------------------------------

2002/10/15

タイヘイヨウアカボウモドキという生き物を知っていますか。
これはクジラの一種なんですけど、いままで6体しか発見されてないんです。
それも骨だけ。最初の骨はオーストラリアで1926年に発見されました。

2度目の発見は1955年、こんな感じ。
米国のクジラ学者(だったかな)が、
調査に来たソマリアで、こんな話を聞いたとか。
肥料会社の床下に変わったクジラの骨があるという。
それを譲り受け、調べてみたところ、1926年にオーストラリアで発
見された
クジラと同じものだということがわかったんだそうです。
なんとも不思議な話ですが、ホントらしい。

しかし、その後、生きた個体や遺体はまったく発見されていないんです。
目撃例もないし。

生態、食性、生時の外観など全て不明。

長い間、幻のクジラと思われてきたわけだが、、、
このウェブ図鑑にもunknownの文字が並んでますな。
http://www.cetacea.org/longmans.htm(筆者注 現在リンク切れ)

ところが、先日、鹿児島に漂着したクジラが、もしかしたら
タイヘイヨウアカボウモドキの可能性があるというニュースが流れ、
世界中のタイヘイヨウアカボウモドキ・マニアを震撼せしめた。
詳しいニュースはこちら。

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/
200208/03/20020803k0000e040026001c.html(筆者注 現在リンク切れ)

写真はこちらにもあるよ。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/news0212/news1226m5.htm(筆者注
 現在リンク切れ)
このクジラが属するメソプロドン属そのものも、世界中に結構な個体数
が生息しているにもかかわらず、
生きた姿は人間にはほとんど姿を見せないんですよ。
人間にその生態が知られていないので、捕鯨の対象にもなっていません。
人間には知られずに生まれ、生活し、死に、わずかな個体が遺体で漂着
するだけです。

(追記 10月3日に、国立科学博物館の所見が出てました。
http://www.kahaku.go.jp/news/research_topix/kago/index.html
(筆者注 現在リンク切れ)
この中で、国立科学博物館は、鹿児島に漂着したメソプロドンは、
タイヘイヨウアカボウモドキだったと結論してました。
人類は初のタイヘイヨウアカボウモドキの完全骨格と軟部資料を入手し
ました。
すげー。 こんなクジラのように、人類には知られていない生き
物がまだまだいるかもしれません。

(引用終わり)
------------------------------------------------------------------------
、、、全部リンク切れかよ。
タイヘイヨウアカボウモドキについて知りたい読者はこちらを見てくれ給え。

http://bit.ly/dCynYI